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八ツ場ダムの議論を整理しよう [時事問題]

色々と難しい問題ですが、少なくとも関東以外の地域に住む人にとっては、中止しない方が得になりそうです。
残った工事の規模や内容を徹底的に見直した上で継続、が正解だと思います。
以下の記事は、収支計算の比較が簡単に整理されています。
「「やめた方がよけいに無駄」八ツ場ダム中止に反発」:イザ!
(2009/09/13 01:23)
民主党が政権公約で「中止」を打ち出している群馬県の八ツ場(やんば)ダムの建設計画は、豪雨被害を教訓に始まった。この半世紀で堤防技術は発展し、民主は「堤防の強化に予算を振り向けるべきだ」と主張するが、「それだけでは危険」と指摘する専門家も多い。すでに2千億円近くを拠出し、水源としてダムを期待している1都5県からは民主への反発の声が強まっている。
・・・総建設費4600億円のうち、3210億円が使われた。中止になると、関係県が出した1980億円の返還を求める動きが出る。・・・移転を強いられた住民などの生活再建費770億円の支払いもある。
中止すればまだ使っていないダム本体工事費の620億円は残る。だが、中止して堤防強化に切り替えると、支流も含めた利根川の両岸1千キロ超が対象になり、国交省幹部は「やめた方が余計にお金がかかる」と話す。・・・



「関東以外の地域に住む人にとっては、中止しない方が得」について:

関東以外の人にとっては、やや乱暴に言えば、八ツ場ダムそのものはあってもなくても構いません。
国として結局あといくらの費用がかかるのか、が大事です。

・工事を継続した場合:あと620億円ないし1400億円が必要。
・工事を中止した場合:関東の自治体から2000億円の返還請求があり、追加の堤防工事なども必要。

「国」とか「政府」とか言っても、私たち1人1人が払った税金が使われるのです。
つまり、中止した場合には、関東だけで負担していた2000億円などが関東以外の地域にも被さってきます。



そもそも8割方の費用を使ってしまった事業を中止することの是非について:

日常的な感覚では、過去の努力を無駄にする中止が許せない気分にもなりますが、中止派にも多少の理があります。
経営的に正しい収支計算では、過去の努力には何の意味もありません。将来性が無ければ、即刻中止すべき場合もあるのです。(ブルーレイに負けたHDD事業のように。)
もちろん、中止した場合の志気低下に配慮するのも“経営”ですが、それはまた別の話。

ただし、八ツ場ダムについての「国」の収支は、おそらく中止しない方が得のようですし、「国+関東」の収支(2000億円の負担者を無視できる)で考えても、明らかに中止する方が得、とまでは言えないようです。



もちろん、ダムそのものが無益なだけでなく有害なものならば、収支には関係なく中止すべきでしょう。
生態系を破壊するとか、かえって別の災害を引き起こすとか、過去にはそういう例もありました。
中止派が主張すべきは、ダムの有害性です。金銭収支ではありません。

八ツ場ダムに関して詳しくは知らなかったので判断を保留してきましたが、民主党の主張が的を外していることだけは分かってきました。
金銭収支については大きな穴のある議論しかしていませんし、有害性の主張を民主党からは聞いたことがありません。(社民党や環境保護団体からはあり。)

冒頭には「徹底的に見直した上で継続」と書きましたが、有害性の主張がさらに出てくることでなら考えが変わるかもしれません。
「無駄」の議論で説得されることはまずないでしょう。
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